イザイの詩曲 Vol.2
ベルギーのヴァイオリニストで作曲家、指揮者、教育者としても活動したウジェーヌ・イザイ(1858~1931年)が残した詩曲<Poème> 全9曲を紹介するコンサート・シリーズ(全2回)の第2夜で、日本初演を含む佳曲を名手たちの競演でお届けします。
日本初演となるのは、ソロ・ヴァイオリンと弦楽オケのための「昔の雪<Les neiges d'antan >」と、ソロ弦楽四重奏と弦楽オケのための「夕べのハーモニー<Harmonies du soir >」の2曲。いずれも単一楽章で自由な形式の作品で、弦楽器に通暁したイザイならではの高度な演奏技巧と、唯一無二の豊かな和声、詩情や抒情をご堪能いただければと思います。そして既存の曲を新しいかたちで発展させていく<編曲版>も取り上げています。イザイとショーソンの詩曲の中から比較的馴染みのある、イザイの「悲しみの詩曲op.12」チェロとピアノ編曲版、本作に刺激されてエルネスト・ショーソン(1855~99年)が作曲した「詩曲op.25」のヴァイオリンと弦楽四重奏とピアノ編曲版、いずれの版も2019年に日本イザイ協会が世界で初めて刊行したものです。本邦初演となる編曲はイザイが病弱な息子に献呈した「こどもの夢op.14」です。詩曲第一夜で聴かせたピアニスト北村朋幹氏に編曲を委託し、ヴァイオリンと弦オケ編曲版を編曲者による指揮でお楽しみいただきます。
数多くのイザイ作品を リエージュ・フィルハーモニー管弦楽団とレコーディングしてきたスヴェトリン・ルセフ(パリ国立高等音楽院教授/第1回仙台国際コンクール・ヴァイオリン部門優勝)を迎え、竹澤恭子、池田菊衛、磯村和英、水野優也、阪田知樹、北村朋幹という国際的なキャリアをもつ名手たちが、音楽家を目指す東京藝術大学の若者たちで編成された弦楽アンサンブルを伴い、これまでにない規模で「イザイの詩曲」を奏でる、見どころや聴きどころがいっぱい詰まったワクワクするコンサートです。
こぼれ話
イザイの詩曲第1作目はG.フォーレに捧げた「悲しみの詩曲op.12」となっています。しかしその前に「協奏的詩曲op.10」を作曲しております。??? それはヴァイオリンの弟子イルマ・セーテ(1876~1958)への熱い恋心から生まれた曲でしたが破局の末、「協奏的詩曲op.10」 を第1作目とせず放棄してしまいました💔 イザイの絶望的な心境は唯一シャルル・ボードレールの『赤裸にされた我が心 Mon cœur mis à nu』を読むことによって、ある種の慰めを見い出せていました。イザイにとってボードレールは『最も音楽的な感性を感じさせてくれる詩人』、、、心重ねられるのはボードレーヌの詩だったのですね。
そしてその頃ですが、悲しみ、寂しさ、怒りや不安、後悔、無力感がこみ上げてくるような『悲しみの詩曲op.12』が生まれた・・・のです。 続く☺
水野優也さんのチェロと阪田知樹さんのピアノで「悲しみの詩曲op.12 」はどのように奏でられるでしょうか。

当時10代後半で、ブリュッセル王立音楽院でヴァイオリンを学んでいるイルマ・セテがヴァイオリンを弾く姿

詩集 赤裸にされた我が心
ヴェ

