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北村朋幹(ピアノ)
愛知県生まれ。3歳よりピアノを始め、浜松国際ピアノ・コンクール、シドニー国際ピアノ・コンクール、リーズ国際ピアノ・コンクール、ベートーヴェン国際ピアノ・コンクールで上位入賞、第3回東京音楽コンクール第1位ならびに審査員大賞受賞、以来日本国内、ヨーロッパ各地で、オーケストラとの共演、リサイタル、室内楽、そして古楽器による演奏活動を行っている。「類稀なる時間の感覚。まるで素晴らしい指揮者によるオーケストラの演奏を聴いているよう(パヴェル・ギリロフ)」「卓抜な詩的感性、そして哲学的叡智を具えた芸術家(濱田滋郎)」、2020年9月、東京オペラシティ文化財団主催、ケージの作品を中心としたリサイタルは「我が国のピアノ演奏史において重要な一夜と言っても過言ではない(伊藤制子)」と高く評価された。2022年10月、びわ湖ホール及び、滋賀県立美術館で行った「北村朋幹 20世紀のピアノ作品(ジョン・ケージと20世紀の邦人ピアノ作品)」が、第22回佐治敬三賞受賞。2019年~自身のリサイタル企画「Real-time」を展開している。また、2024年にはアーヴィン・アルディッティからの指名を受け、アルディッティ弦楽四重奏団とともに、2曲のピアノ五重奏曲の世界初演に携わる。
録音はフォンテックから『遙かなる恋人に寄す―シューマン「幻想曲」からの展望―』(2011)、『夜の肖像』(2014)、『黄昏に― ブラームス/リスト/ベルク作品集』(2016)、『Bagatellen』(2019)がそれぞれ発売され、2021年録音の『ケージ プリペアド・ピアノのためのソナタとインターリュード』は令和3年度(第76回)文化庁芸術祭賞 レコード部門 優秀賞を受賞するなど、レコード芸術誌をはじめとする主要な音楽メディアにおいて好評を得ている。2024年3月新譜『リスト 巡礼の年 全3年』をリリース。
東京藝術大学に入学、2011年よりベルリン芸術大学ピアノ科で学び最優秀の成績で卒業。またフランクフルト音楽・舞台芸術大学では歴史的奏法の研究に取り組んだ。
これまでに伊藤恵、エヴァ・ポブウォツカ、ライナー・ベッカー、イェスパー・クリステンセンの各氏に師事。ベルリン在住。
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山根一仁(ヴァイオリン)
独自の鋭い感性と鮮烈なテクニックをもって、真摯に作品に取り組むヴァイオリニスト。
近年J.S.バッハ作品の演奏に力を入れており、2022年から2023年にかけてトッパンホールで開催されたJ.S.バッハ無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ全曲演奏会(全2回)は、大きな反響を呼んだ。2024年は満を持して全曲一挙演奏に取り組む。2024年9月キングレコードから「J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲集」をリリース。
1995年札幌生まれ。
中学校3年在学中の2010年に第79回日本音楽コンクール第1位、およびレウカディア賞、黒栁賞、鷲見賞、岩谷賞(聴衆賞)並びに全部門を通し最も印象的な演奏・作品に贈られる増沢賞を受賞。同コンクールで中学生の1位は26年ぶりの快挙であった。
以後、桐朋女子高等学校音楽科(共学)に全額免除特待生として迎えられ2014年3月に首席で卒業。高校在学中より国内外の音楽祭、マスタークラスでソロ、室内楽ともに研鑽を積み音楽賞、ディプロマなど数多く受賞した。
これまでバーミンガム市響、プラハ=カメラータ、N響、新日本フィル、東京シティ・フィル、日本フィル、都響、東響、札幌響、山形響、京響、大阪フィル、名古屋フィル、アンサンブル金沢など国内外のオーケストラと共演するほか、ベルリン・フィル五重奏団、M.ヴェンゲーロフ、P.ウィスペルウェイ、N.メンケマイヤーらとの共演などでも注目を集める。東急ジルベスターコンサート、NHK『ららら♪クラシック』、NHK-FM『名曲リサイタル』、テレビ朝日『題名のない音楽会』などテレビ・ラジオの出演も多い。
2010年度横浜市教育委員会表彰。第60回横浜文化賞文化・芸術奨励賞(最年少)、第2回岩谷時子音楽財団『Foundation for Youth 賞』、2015年度青山音楽賞新人賞、第26回出光音楽賞、第19回ホテルオークラ賞などを受賞している。
これまでに故富岡萬、水野佐知香、原田幸一郎の各氏に、またドイツ国立ミュンヘン音楽演劇大学ではクリストフ・ポッペンに師事。
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毛利文香(ヴァイオリン)
2012年に第8回ソウル国際音楽コンクールにて、日本人として初めて最年少で優勝。2015年に第54回パガニーニ国際ヴァイオリンコンクールにて第2位およびエリザベート王妃国際音楽コンクールにて第6位入賞。2019年にモントリオール国際音楽コンクールにて第3位入賞。これまでに、川崎市アゼリア輝賞、横浜文化賞文化・芸術奨励賞、京都・青山音楽賞新人賞、ホテルオークラ音楽賞を受賞。ソリストとして、読売日響、東京響、東京フィル、東京シティフィル、神奈川フィル、群馬響、大阪フィル、韓国響、ベルギー国立管、クレメラータ・バルティカ、ヨーロッパ室内管など、国内外の主要なオーケストラと共演を重ねるほか、サー・アンドラーシュ・シフ、アブデル・ラーマン・エル=バシャ、タベア・ツィンマーマン、イリヤ・グリンゴルツ、堤剛、今井信子、伊藤恵などの著名なアーティストとの共演も数多い。また、宮崎国際音楽祭、武生国際音楽祭、イタリア・チェルヴォ音楽祭、クロンベルクアカデミー・フェスティバル、ラ・フォル・ジュルネ、シャネル・ピグマリオン・デイズ等に出演。録音はナクソスより「サン=ジョルジュ:ヴァイオリン協奏曲」を2023年6月にインターナショナル・リリース。
ヴァイオリンを田尻かをり、水野佐知香、原田幸一郎、ミハエラ・マーティンに師事。桐朋学園大学音楽学部ソリストディプロマコース、及び洗足学園音楽大学アンサンブルアカデミー修了。慶應義塾大学文学部卒業。ドイツ・クロンベルクアカデミーを経て、ケルン音楽大学を最高点で修了。
トリオ・リズル(弦楽三重奏)、エール弦楽四重奏団、ラ・ルーチェ弦楽八重奏団のメンバーとしても活躍している。
楽器は日本音楽財団より、1717年製のストラディヴァリウス「サセルノ」を貸与されている。
— Christophe Huss「ル・ドゥヴォワール誌」,毛利は、シベリウスの協奏曲の真髄を理解しているという点で、多くの演奏者たちとは一線を画している――この曲を客観的に眺め、描き出すことはせず、この曲につかみかかり、食らいついていく。音程は非の打ち所なく正確で、サウンドも魅力的だった。記録資料を頼りにベンジャミン・バイルマン(2010年)と毛利文香(2019年)の演奏を聴き比べれば、当コンクールの16年の歴史上"最高のシベリウス"を堪能できるはずだ!毛利の演奏はそれほど素晴らしい演奏であったし、私たちの手中にある記録映像は、その歴とした証である。
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田原綾子(ヴィオラ)
神奈川県生まれ。
第11回東京音楽コンクール弦楽部門第1位及び聴衆賞、第9回ルーマニア国際音楽コンクール弦楽器部門第1位併せて全部門最優秀賞、ルーマニア国立ラジオ局賞を受賞。
国内外でソロリサイタルが定期的に行われており、ソリストとして読売日本交響楽団、東京都交響楽団、東京交響楽団、東京フィルハーモニー管弦楽団等と共演。室内楽奏者としても国内外の著名なアーティストと多数共演し、オーケストラの客演首席も務めるなど、活躍の幅を広げている。現代音楽にも意欲的に取り組んでおり、新作の委嘱や世界、日本初演も数多い。
TV朝日「題名のない音楽会」、NHK-BS「クラシック倶楽部」、NHK-BS「クラシック音楽館」、NHK-Eテレ「ららら♪クラシック」、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」、NHK-FM「リサイタル・パッシオ」、宮崎国際音楽祭、武生国際音楽祭、ル・ポン国際音楽祭、軽井沢国際音楽祭、東京・春・音楽祭、シャネル・ピグマリオン・デイズ室内楽シリーズ、サントリーホールチェンバーミュージックガーデン、国際音楽祭NIPPON 、JTアートホール室内楽シリーズ等に出演。プロジェクトQ、ヴィオラ・スペース、ヴェルビエ音楽祭、パブロ・カザルス音楽祭、韓国音楽祭GMMFS、小澤国際室内楽アカデミー奥志賀などのアカデミーに参加し、今井信子や大山平一郎、ジェラール・コセ、タベア・ツィマーマン、アントワン・タメスティ、ハートムット・ローデ、ディエムット・ポッペン、マテ・スーチュなどの各氏から薫陶を受けた。
桐朋学園大学、桐朋学園大学大学院特待生、奨学金を得てパリ・エコールノルマル音楽院、デトモルト音楽大学を最高得点にて首席で卒業。これまでに藤原浜雄、故岡田伸夫、ブルーノ・パスキエ、ファイト・ヘルテンシュタインの各氏に、室内楽を原田幸一郎、藤井一興、山崎伸子、毛利伯郎、磯村和英、川久保賜紀の各氏に師事。
2015年度宗次エンジェル基金奨学生、2015、2016年度ロームミュージックファンデーション奨学生、第47回江副記念財団奨学生、2019年度明治安田クオリティオブライフ文化財団海外留学研修生。
第23回ホテルオークラ音楽賞受賞。
Music Dialogue Artist、アンサンブルofトウキョウ、エール弦楽四重奏団、ラ・ルーチェ弦楽八重奏団、Trio Rizzleのメンバーとして活躍中。エール弦楽四重奏団、ラ・ルーチェ弦楽八重奏団、Trio Rizzleのメンバーとして活躍中。
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上野 通明(チェロ)
2021年ジュネーヴ国際コンクール・チェロ部門で日本人初の優勝を果たし、あわせてYoung Audience Prize、Rose Marie Huguenin
Prize、Concert de Jussy Prizeと3つの特別賞も受賞。
パラグアイで生まれ、幼少期をスペイン、バルセロナで過ごす。13歳で第6回若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクールで全部門を通じて日本人初の優勝するのを皮切りに、第6回ルーマニア国際コンクール最年少第1位、第21回ヨハネス・ブラームス国際コンクール第1位、第11回ヴィトルト・ルトスワフスキ国際チェロ・コンクール第2位など、国際舞台で次々と活躍。これまでにソリストとしてワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団、スイス・ロマンド管弦楽団、ロシア交響楽団、KBS交響楽団、NHK交響楽団、読売日本交響楽団、など国内外のオーケストラと数多く共演。マルタ・アルゲリッチ、ミッシャ・マイスキー、オーギュスタン・デュメイ、ジャン=ギアン・ケラスら著名なアーティストとも共演し好評を博す。
桐朋学園大学ソリスト・ディプロマコース全額免除特待生として毛利伯郎に師事し、オランダの名チェリスト、ピーター・ウィスペルウェイに招かれて19歳で渡独。デュッセルドルフ音楽大学でコンツェルトエグザメン(ドイツ国家演奏家資格)を満場一致の最高得点で取得した後、ベルギーのエリザベート王妃音楽院にてゲーリー・ホフマンに師事。
2024年ドイツのボン・ベートーヴェン音楽祭よりベートーヴェン・リング賞を受賞する他、岩谷時子音楽文化振興財団より第1回Foundation for Youth賞、第6回岩谷時子賞奨励賞、第26回青山音楽賞新人賞、第31回出光音楽賞、第24回ホテルオークラ音楽賞、第21回齋藤秀雄メモリアル基金賞を受賞。令和3年度文化庁長官表彰(国際芸術部門)を受彰。2025年第35回日本製鉄音楽賞〈フレッシュアーティスト賞〉受賞。
1758年製P.A.Testore(宗次コレクション)、1730年製A.Stradivarius
"Feuermann"(日本音楽財団)、弓はF.Tourte(住野泰士コレクション)をそれぞれ貸与されている。
2022年La Dolce VoltaよりCDアルバム「バッハ無伴奏チェロ組曲(全曲)」がリリースされ、レコード芸術誌特選盤に選出される。
現在、主にヨーロッパとアジアで活発な演奏活動を行っている。
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